読書の庭

占い師の読書記録。

現代に息づく陰陽五行

図書館の占いコーナーで見つけて手にした一冊。

 

著者の稲田義行さんは

1968年、茨城県生まれ。
立正大学大学院人文科学研究科修士課程修了。
専攻は哲学で、主にM.ハイデガーを研究。

 

 

【感想】

中国で生まれた陰陽五行思想
長い年月をかけて進化しその後、日本に伝わり風習や暦、風水などに取り入れられたことで知らず知らずのうちにその思想に触れたことがある人は多いのではないかと思いました。

全体像の理解が深まりました。

 

P.60

五徳の「徳」とは「徳き」と書き、「はたらき」と読む…
五行を徳(はたらき)としてとらえる。木という徳、土という徳、水という徳、火という徳、金という徳といった具合に、五行(木火土金水)をそれぞれ徳としてとらえるのである。

 

「徳」とは「はたらき」を意味していたのか!
「はたらき」として考えると色々納得できます。

 

P.140
なぜ風水には方位がつきものなのかといえば、それは気の流れを整えるためである。気とは、作用・はたらき・流れのことだから、その流れを堰き止めてしまっては、自然・宇宙との一体感や恵みが得られないと考えるのである。…

さらに、風水には必要不可欠な「時間」、すなわち生年月日時をこれに重ね合わせて鑑定をしなければならない。なぜならば、人間はこの世に生を受けたまさにその時の気の流れを受けているからである。

 

同じ家でも住む人によって、良い家相(風水)・悪い家相(風水)が違ってきますからね。
そう考えると、風水マンションとかあるけどあれはどうなんだろう?
住んで運が良くなった人とかいるのだろうか?

そもそも万人にとって良い家相なんてものはありません。

生年月日を気にしないといけないのは当然のこととして、家族構成や職業によっても気にしないといけないところは変わってきます。

 

P.195

日本版陰陽道を一言で言い表すならば、時の為政者や一般庶民のニーズに応えるため、発祥の地である中国から輸入された陰陽五行説が、やがて道教密教・仏教、修験道、呪禁道、神道などを吸収しながら発展していった”何でも屋”といったところだろうか。…

つまり、支配者や一般ニーズに応えて進化したために、人々の困りごとを解消する”何でも屋”となることで、困りごとを取り去る技術が飛び抜けて発達した技術・技能集団の叡智が日本版陰陽道の正体なのである。

 

師匠から教わった占いは正しくコレ!

「困り事を解消する」ことも大切だけど「良いことを起こすことよりも、悪いことを起こさないことが大切」と教わりました。

占いは「転ばぬ先の杖」が基本。