読書の庭

占い師の読書記録。

ものの見方が180度変わる古事記

古事記について学んでみたいと思っていたところ

書店にて目に入ってきたので手にした本。

 

著者の古高裕記さんは

明治大学政治経済学部政治学科卒業後
衆議院議員国会秘書日。秘書勤務のかたわら執筆活動に従事。
ビジネス書を年間600冊読破し、ビジネス書と
古典の共通点を発見。独自の視点で日本文化を解説する
手法を確立し、神社や日本の文化の魅力を伝えている。
神社本庁監修の神社検定(神道文化検定)壱級を所持。
趣味は全国の神社巡り。

 

 

P.2

日本の神には、「〜〜命」という名前がある神様が多い。
名前に命がつくのは「みこともち」という意味で、
自分よりも尊い神から、命令される存在をあらわしている。
神様たちも私たちビジネスパーソンのように、
上司がいて、所属している組織がある。
与えられたミッションをこなすために、
上司やメンターに相談する機会がある。
ときにはライバルを押しのけて、自分に与えられた使命を
こなすことも必要である。
そうした日本の神様たちの苦労と成功の話は、
さまざまなドラマがあり、現代のビジネスパーソンが読んでも
学ぶべき点が多いのである。

実はミッションを見事こなし、卒業をすることができた
みこともちは、名前が「命」から「神」に
名前が変わっている神様も多い。
これは、つまり晴れて神に昇格し、
より高い指導者として神社などで祀られるのである。

 

神様も人間の世界同様
ミッションをクリアしたら
「命」から「神」へと昇格していくとは面白い。

 

P.23

「完璧に物事をこなしているはずなのに、
どうにもうまくいかない」そういう経験をする人は少なくないだろう。
何が原因かわからない場合には、理(物事の筋道や道理)に
沿っていないことをやっていないかどうか確かめるべきだ。
簡単に言えば、昔から決められた自然の摂理、
ルールのようなものだ。
人間が決めた習慣とは違う。「理」とは、端的に言えば、
大自然の神が決めたルールのことだ。

 

P.24

どんなに客観的に考えて、データをとって、
科学的に成功を裏付けられた事業やプロジェクトでも、
道理を無視して、物事を進めると必ず、どこかうまく行かなくなるものだ。
私たちは、物事の根底に流れている筋道を無視しがちである。…

100年や200年続く会社は、長く続いた「理」に沿って成功している。
だから優れた経営者やビジネスマンは「理」を大事にする。

 

人間が考えたルール(法)と
自然界のルール(理)は違う。

自然界の理を無視していると
いずれ破綻してしまうんですよね。

 

P.35

そして、もう一つ大事なことは、この話のように
禍をもたらす神が生まれたら、その禍を直し、
正しくする神も生まれる、ということを理解することだ。
つまり、悪いことと、良いことというのは、
表裏一体で起こる。
悪いことばかりに囚われているのではなく、
悪いこともあったが、良いこともなかったかどうか、
よく考えてみよう。

 

良いことを悪いことは二つで一つ。

良いことばかりしか見ない(見えない)
悪いことばかりしか見ない(見えない)

バランスよく考える癖をつけたい。

 

P.64

実は自信を失っている私たちも同じなのである。
私たちはいつも自分の評価を自分以外の
他人に求めがちだ。
そうではなく、自分の中にこそ、答えを求めるべきなのだ。
自分に与えられた使命は、自分以外まっとうすることはできない。
私たちは誰もが皆、神になるための
ミッションを携えた「みこともち」だ。
私たち一人ひとりに与えられた特別な使命は、
自分にしか達成できないのである。

 

本当にその通りで宿命を観ていると
一人一人それぞれお役目があって
それは社会的役割とは少し違う。
自分の持っている宿命を昇華させる事が大切なのだと思う。

 

P.136

天神地祇を祀る」という言葉がある。
天神地祇とは天つ神と国つ神を祀るという意味で、
あらゆる神を祀るということを意味している。
日本では神をお祀りしたり、お祀りするときには、
国譲りで日本の国の統治権を得た天つ神だけではなく、
日本を苦労して開拓した国つ神も一緒に祀ることになっている。

家を建てるときに地鎮祭を行うのも、
国つ神が開拓した貴重な土地を安全に使わせて
いただくというのが、本当の趣旨なのである。

 

地鎮祭をお祓いと勘違いしている人が多いけれど
本来は「土地を使わせていただく」報告のようなものですね。

 

 

古事記がわかりやすく解説してある面白い一冊でした。

これからも古事記について学んでみたいと思います。