幕末の儒学者・佐藤一斎の「言志四録」を齋藤孝先生が現代人にわかりやすく解説してくれています。
「言志四録」は吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬、伊藤博文といった幕末維新の志士たちが愛読していたとのこと。
なかでも、西郷隆盛は気に入った言葉を何度も書き写して肌身離さず持ち歩いていたそうです。
その一方で、敵対する幕府側の人も愛読するなど多くの人に影響を与えていたようです。
人間の普遍的要素に触れる言葉は、現代にも通じるところが多々あり全く古臭いものではなかった。
p.49
「忙しいの9割は無駄な仕事」今時の人は、口ぐせのように忙しいという。しかし、そのしているところを見ると、実際に必要なことをしているのは十の中の、一、二に過ぎず、つまらない仕事が、十の中の八、九である。そして、このつまらない仕事を必要な仕事と思っているのであるから、これでは忙しいのももっともなことだ。本当に何かしようとする志のある者は、こんなあなに入り込んではいけない。
現代人は皆時間に追われ多忙と言われるけれど、100年以上前の人も同じことを思っていたみたいですね。
p.114
「禍は口から出て、病は口より入る」人は最も口を慎まなければならない。口は二つの職務を兼ねもっている。一つは言葉を発することであり、他は飲食物を取り込むことである。人が言葉を慎まないと、禍を招くことがあり、飲食を慎まないと、病気になることがある。諺に「禍は口より出て、病は口より入る」とあるのは全く今のべた意味である。
うっかり喋ったことがトラブルの元になったり、暴飲暴食によって体調を崩したり、口を慎むことは大切。全くもってその通りだと思う。
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